西武立川駅から徒歩2分の東京カウンセリングルーム『こころの元気道』(立川市/多摩地域)カウンセリング料:90分 5,000円
東京カウンセリングルーム
『こころの元気道』
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FAX | 受付/24時間年中無休 |
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第4話

乳幼児期の「第一次成長期」(0〜4歳頃)と、思春期の「第二次成長期」(11~13歳頃)は、一生のなかでも心と体に大きな変化の起こる時期です。
行動範囲が急速に増え、人間関係が豊かになる一方で、さまざまなトラブル(困りごと)やアクシデント(突然の出来事や病気)にあう可能性も増えます。
それらを避けるにはどうしたらよいのか、遭遇した時にはどう対処すればよいのか、家族で話すためのヒントを探ります。
●中学・高校生からの深刻な相談
かつて私が行っていたエイズ電話相談では、中学生や高校生からもたくさん相談を受けました。
内容は、HIV(エイズウィルス)の感染経路や流行の広がりなど一般的な知識に関するものもありますが、自分の行為でHIVに感染したのではないかと深刻に悩んでいるケースも少なくありませんでした。
電話による相談は直接顔を合わせなくてよいので、エイズや性のように、言葉に出しにくい内容が話しやすいという長所があります。
ただ、その中で大きな問題だと思ったのは、「まわりに相談できる大人が一人もいない」という声でした。
印象に残っているのは、ある女子高生から言われた言葉でした。
「こんなに大事なことなのに、これまで学校でも家でも大人は誰も教えてくれなかった。もっと早く教えてくれていたら、もっと慎重に行動したのに…」
性的な事柄に関心を示すようになる中学生の頃に、家庭や学校で、いちばん身近な大人が性について真剣に話すことが、その後のトラブルやアクシデントへの予防とケアに大きな影響力をもつことを今でも実感しています。
●性に関することは恥ずかしくて大人からは話しにくい
性行為や性感染症の予防方法など、私も若い頃は口にするのをためらいましたが、今では講演会でもカウンセリングでもファミレスでもバンバン話します。
性に関することは、「科学的な面と心的な面を分けて考える」と話しやすくなります。
・「科学的な面」… 体の仕組み、体の変化、妊娠の仕組み、性に関する病気、感染の仕組み、予防方法、セクシュアリティ(個人の性のあり方)など。
・「心的な面」… 心の変化、性に関する悩み、「ノー」と言うには、性暴力にあったときには、など。
そして、何度も口にして「慣れる」ことですね。
大人が「○○のこと?」と率先してストレートに話すと、子どももグッと話しやすくなります。
我が子が小学6年のとき、学年の全クラスで性やエイズについての授業をさせていただきました。子どもたちは、クラスメイトのお母さんが性についてアケスケに話すので、圧倒された感じで初めは恥ずかしがっていましたが、最後まで真剣に話を聞いてくれました。
性について話すときは、子どもも大人と同じだと思いながら話します。
そして肝心なのは「ユーモア」を忘れないで。
●寝た子を起こす?
「性教育をすると、性に対する関心を高め、セックスを奨励することになるのでは」とよく聞かれます。
なのに、「子どもはとっくに起きている」というのが現場での実感です。
インターネットやスマホの利用することが当たり前になるにつれ、商品としての性の情報も氾濫し、子どもであろうがなかろうが簡単に触れることができます。
だからこそ、ますます身近な家庭や学校で、幼児期からしっかりと語り合うことが大事だと感じています。
●HIVに感染した人は家族に話しているのか?
HIVの感染経路はそのほとんどが性行為です。そのため、感染した人が家族にそのことを打ち明けられるかどうかは、日頃から性について話せる関係かどうか、性に関する偏見をもっていないか、家族の考えや態度に告白を受け止める度量と柔軟さがあるかどうかに影響されます。
HIVに感染しても早期発見・早期治療を行なえば服薬や入院をしなくても十分にそれまでの生活を維持することができます。
なのに、根治できず発病したら死への恐怖におびえ続けるという意味では命にかかわる深刻な病気です。
そんな病気を抱え、さらに偏見や差別を受ける不安を常に抱えながら、同居している家族に感染していることも治療薬を飲むことも隠している人がいます。「そんな家族関係っていったい何だろう」と考えさせられます。
●中学生と性について話すとき念頭に置くこと
「性」は、人が生まれてから死ぬまで一生付き合うものです。そして人は死ぬまでに性に関しても、さまざまなトラブルやアクシデントにあう可能性があります。
思春期でも特に中学生の時期は、人生のなかでも性的に大きな変化の起こる時期で、この頃から性に関わる問題に直面する機会も増えます。
ですから、トラブルにあわないためにはどうしたらよいのか、アクシデントが起きたときにどう対処したらよいのか、つまり性に関わる問題への「予防」と「ケア」をこの時期にしっかりと教えることが大切なのです。

●性被害の深刻さ
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、第1次世界大戦の戦闘参加帰還兵が訴えた精神的疾患の症状によって認知されたといわれます。
そして、性暴力を受けた人たちは、戦闘参加帰還兵と同じ症状を訴えます。
小児期のいじめや被虐待の体験は、思春期や成人期になってからの精神的疾患と深く関わり、体験した年齢が低ければ低いほど、影響は長期に及び大きくなっていきます。
実際に、小児期や思春期に性暴力を受けたり性的嫌がらせで精神的ショックを受けたため、その後、数年、数十年にもわたって苦しむ人の相談を受けることがあります。
その人たちのすべてといっていいほど、被害を受けないための予防について教えられていませんでした。
そして、被害にあってからも、家族にも言えず、専門的な対応・治療も受けられず一人で苦しみ、自暴自棄になったり自殺/自死を考える人も少なくありません。
家族が日頃から性や性暴力の被害者などに対して否定的な発言をしたり、話題を避けているとなおさらです。
これらの被害を防ぐためには「予防教育」が必要ですが、性について話すこともあるため、大人が子どもに話すことをためらう声も聞かれます。
なのに被害者は、家族だからこそ打ち明けにくく、気づかれないように普段と変わらぬようにふるまう傾向があります。つまり、たとえ同居している子どもが被害にあっていても、知らないで何年、何十年と同居している家族が実際にいるということです。
被害者を次々と目の前にすると、「あと何人の子どもが被害にあって苦しんだり、あるいは誰の子どもが被害にあえば大人は行動するのか」と叫びたくなります。
●性にかかわる「予防」と「ケア」
性被害の予防のためには、自分の思春期を思い出しながら、「こんなことに注意するのよ」と言うのもよいでしょう。「CAP(子どもに対する暴力防止教育プログラム)」を親子で受けるのもよいでしょう。
そして、「何があろうとも、私があなたを支えていく」という強いメッセージを言葉と態度で示すことです。
被害は早期に発見し早期に対処するほど、本人の苦しみをより早く癒すことも可能になります。ですから、親や保護者は子どものようすに少しでも気になることがあったら、ストレートに「誰かから暴行されたり、体に触られたりしたの?」と聞いてみるのがベストです。そのためにも、常日頃から、子どもが何でも話せるような「開かれたコミュニケーションの回路」を作っておく必要があります。
成長していく子どもを保護者がいつまでも見守れるわけではありません。子ども自身が自分の心と体に何が起き、どんな行為でその結果として何が起きるのかを正しく知って予防する方法を身につけなければ、自分で問題が起きるのを防ぐことができません。
また、予防方法を知っていても、相手との関係でそのことを言い出せなかったり、実行できなかったりすることもあるので、「イエス」と「ノー」をはっきりと言えるトレーニングやコミュニケーション能力を身につけることも必要です。
ただ、こんなに準備やトレーニングをして用心しても、病気になったり暴力を受けてしまうことも残念ながらあります。そんなときには、一人で抱え込むのではなく、すぐに身近な大人に相談して助けを求めることなど、「ケア」についても教えなければなりません。子どもや子どもたちだけで何とかしようとして、解決の時期を逸したり問題が長引いたり取り返しのつかないことになりかねないのは、性的な問題についても言えます。
そのために、大人は子どもに対して、「性に関わることや話しにくいことでもいつでもストレートに話してほしい、待っているよ」というメッセージを日頃から伝えておかなければならないのです。
また大人自身、うろたえず偏見を持たず、子どもの声にいつでも応えられるように、性についての知識や情報を集め、自分自身の性についてもじっくり考えておくことをお勧めします。

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